このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.
↑毎年恒例の冬の総診旅行の1コマ.前列から2人目が著者です.同期に恵まれているのも,この病院の魅力です.
川崎市は東京と横浜に挟まれた工業が盛んな巨大な都市です.いわゆる京浜工業地帯です.そして市立川崎病院はそのド真ん中にそびえたつ733床というドデカイ病院です.
後期研修をはじめるにあたり,まずはすべてのベースとなりうる内科学をしっかり勉強できる病院を探していました.ある日友人の友人から「市立川崎病院の総合診療科が熱い!!」という噂を聞きつけ,一体何が熱いのかを確かめるべく見学に行くこととしました.そこで見たのは,卒後3,4年目にもかかわらず急性疾患から慢性疾患まで幅広く,主体性をもって受け持つ,総合診療科のメンバーたちでした.特に急性期疾患に関しては,ICUで主治医として日夜奮闘し,また毎日行われている朝のカンファレンスでも学年差関係なく,病態,治療方針について議論を戦わせていました.ここでなら!と思い,見学に来たその日のうちに面接を受けてしまいました.
基本的に同時進行ですべての内科系疾患を受け持ちます.消化器,循環器,呼吸器,神経,腎臓,血液,膠原病などなど盛りだくさんです.しかし4~7月にかけての慣れないうちは,1カ月ごとに新入院の患者の疾患領域を限定したり,集中治療チームというものを結成し,そのチーム全員で重症患者の診療にあたったりしています.その期間中に一般的な内科診療に慣れ,また集中治療に必要とする呼吸器・循環管理,輸液・栄養管理,抗菌薬の選択といったことを学ぶことができます.急性から慢性疾患までの,すべての内科疾患を勉強しなければならず,その膨大さに挫けそうになるときもありますが,そんなときは夜の街にくり出し,英気を養って,また次の日から頑張っています.
また検査は基本的には自分が希望するものを経験することができます.心臓カテーテル,胃カメラ,気管支鏡,心エコー,腹部エコー,胃透視などなどこちらも盛りだくさんになっております.どの検査もやり始めると奥が深く,はじめそこまで興味がなかった検査であっても,しばらくすると結構はまります.
また3カ月のER研修が必須となっており,急変時の対応や初期診療を十分に学ぶことができます.さらに希望者は3カ月間関連病院で腹膜透析を含む血液浄化療法やターミナルケア,在宅治療を学ぶことも可能です.
いろいろ書いてしまいましたが,やはり何よりここの総合診療科がよいのは,メンバーの仲が非常によいという点です.春は花見,夏は屋形船,秋はバーベキュー,冬は温泉旅行に毎年皆でくり出しています.働くときは真剣に働く,遊ぶときは真剣に遊ぶ,仲間とは互いに協力し合ってやっていく(One for All, All for One)という総合診療科部長である鈴木貴博先生の教えを忠実に守っています.
川崎は中華料理や焼肉で有名な街です.一度味わいがてら病院見学などはいかがでしょうか? お待ちしております!!
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