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〜あなたの研究生活をちょっとハッピーに〜

Script12「ジョブ・インタビュー―夢を語る」

【1】全文のネイティブ音声

 

【2】全文の対訳

クリスティーンは大学院を間もなく修了する.最後の実験の仕上げをするかたわら,クリスティーンは糖尿病関連の研究室のポスドク職を探している.そんなとき,ジョンソン博士の秘書から面接の予定を決める電話があった.クリスティーンは面接のため,ジョンソン研に到着した.

クリスティーンこんにちは.10時にジョンソン博士との面接のためお伺いしました.

秘書あら,ようこそクリスティーン.ジョンソン博士がお待ちですよ.廊下の方に向かって行ってください.彼のオフィスは右側の2つ目のドアです.

クリスティーンは気持ちを落ち着かせ,廊下を元気よく歩く.きれいに磨かれたオフィスのドアをノックし,中に入る.

ジョンソン博士こんにちはクリスティーン.お会いできて嬉しいです.まあお座りください.

クリスティーンありがとうございます.博士にお会いできてとても光栄です.

ジョンソン博士博士課程も最後の追い込みですよね.論文の進捗はいかがですか?

クリスティーン計画の残りいくつかの実験を完成させる段階です.論文は順調に進んでいますが,まだいくつか書かなければいけないことがあります.

ジョンソン博士すばらしいですね.あなたの研究について教えてくれますか?

クリスティーン私はendoplasmic reticulum apoptotic proteinあるいはERAPと呼ばれる,新規なアポトーシス誘導性の小胞体ストレス応答のコンポーネントを発見しました.ERAPはβ細胞特異的にアポトーシスを誘導するように思われます.私たちは最近,ERAPノックアウトマウスと,ERストレス誘導性糖尿病マウスであるAkitaマウスを交配するという,in vivo実験を仕上げつつあります.交配したマウスでは糖尿病の症状が軽減され,膵島が大きくなりました.

ジョンソン博士かなり良い線を行っているようですね.似たようなことで,私たちも糖尿病におけるβ細胞,特にβ細胞の機能障害を研究しています.あなたはこれからの数年で,どんなことを成し遂げたいですか?

クリスティーン私は,興味深い研究を行い,質の高い論文を発表し,実験技術を磨き続け,最終的には未来ある若い科学者のための教育者になりたいと願っています.

ジョンソン博士立派な目標ですね.たくさんやることがありますね! 見たところあなたの履歴書にはなかなかの論文発表履歴があるようです.それと,あなたには非常にたくさんの教育経験があるようですね.その点についてより詳しく話していただけますか?

クリスティーン私は教えることが大好きなんです.熱中できることです.情熱的な教師の存在が,学部学生を育てるのにはとても重要だと確信しています.

ジョンソン博士全く賛成ですね.

予定どおりいけば本学にも学部学生が来るはずですので,あなたが可能であればいつでも教育助手として彼らと一緒に研究してくださるとありたいです.私の研究室では,私たちの研究を知ってもらい何かを経験を得てもらうため,学部学生の訪問や時には高校生も受け入れているんですよ.

クリスティーン博士課程の時にも学生を指導したことがあります.とても充実していました.

ジョンソン博士あなたの研究の目標な何ですか?

クリスティーンβ細胞機能不全にかかわるシグナル経路の解明を続け,究極的には糖尿病の進展を防いだり送らせたりする薬を開発したいと思っています.同時に,研究のスキルを磨き,新しい技術を学び続けたいと思います.

ジョンソン博士大変結構です.すばらしい.確実にメールで連絡をしますので,あなたも気軽に連絡してくださいね.今日は素敵な面接でした.よい夏を過ごしてください.

クリスティーン私も博士にお会いできて本当によかったです.面接の機会をいただいて感謝いたします.近いうちにまたお目にかかれることを願っています.

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【3】発音のKEY POINTS「形容詞+名詞」

 

誌上留学!ラボ英会話のKEY POINTS Web留学編 目次

プロフィール

浦野 文彦(Fumihiko Urano)
1994年,慶應義塾大学医学部卒業.慶應大学医学部病理学教室にて小児病理学,分子病理学を学ぶ(秦順一教授指導,元国立成育医療センター総長).’98年からNew York University School of Medicine分子病理部門研究員(David Ron教授,現University of Cambridge教授),2002年よりUniversity of Massachusetts Medical School助教授,’08年より准教授,’11年永久教授権獲得,2012年7月よりWashington University School of Medicine, Samuel E. Schechter冠教授就任.’11年,American Society for Clinical Investigation会員に推挙される.小胞体ストレスが,老化,糖尿病,神経変性疾患に与える役割を研究しています.また,小胞体ストレス病(Wolfram syndrome)の患者,家族を支えるためのクリニックを運営しています .興味のある方は次のサイトをご覧ください(to wwwhttp://www.erstress.com , to wwwhttp://fumihikourano.blogspot.com/ & to wwwhttps://wolframsyndrome.dom.wustl.edu/).
Christine Oslowski
2007年,マサチューセッツ大学を卒業し,同大学医学部医科学博士課程に入学.2012年,浦野教授の研究室で博士号を取得し,現在はボストン大学医学部でポスドクとして研究に,また教育に励んでいる.
Marjorie Whittaker
ボストン大学でSpeech-Language Pathologyの修士号を取得後,耳の聞こえない子供達の発音を矯正する仕事に従事.その後,外国人エンジニア,医師などの発音矯正の授業,コンサルティングを行う,The Whittaker Groupを設立する.2006年には,Lynda Katz Wilner先生とともに,ESL RULESを設立し,英語の発音に関するセミナーを主宰し,『RULES』,『Medically Speaking RULES』,『RULES BY THE SOUND』,『Medically Speaking Idioms』といった本の出版をしている.詳細は,to wwwhttp://www.eslrules.comto wwwhttp://www.prospeech.comまたはまで.
プロフィールは実験医学掲載当時のものになります.

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