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運動による炎症状態の変化

Changes of inflammation status by exercise
上村大輔,村上正晃
Daisuke Kamimura/Masaaki Murakami:Molecular Psychoimmunology, Institute for Genetic Medicine, Graduate School of Medicine, Hokkaido University(北海道大学遺伝子病制御研究所大学院医学院分子神経免疫学教室)
10.18958/6355-00001-0001279-00

運動が免疫応答や炎症に関与することが示されてきていている.運動によるIL-6,コルチゾールやアドレナリンなどの増加が全身性に影響することが知られているが,その効果のメカニズムは完全には理解されていない.筋肉の収縮・伸展は,運動神経がかかわることはもとより,求心性の感覚神経によっても感知される.この求心性神経の活性化は,筋肉の動きや姿勢の制御ばかりではなく,「ゲートウェイ反射」とよばれる血管の状態を変化させて炎症を局所的に調節する現象も誘導する.本稿では,運動と炎症の関係についてわれわれの研究成果も交えて概説する.

ゲートウェイ反射,炎症回路,局所炎症,NF-κB

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