スマホで読める実験医学
550円

運動と高血圧:ヒポクラテスの名言「歩くことは人間にとって最良の薬である」は本当か?

Could we apply Hippocrates’s word of wisdom “Walking is the best medicine for human beings” to the therapeutic for hypertension?
岸 拓弥
Takuya Kishi:Department of Health and Welfare Sciences in Fukuoka, International University of Health and Welfare(国際医療福祉大学福岡保健医療学部)
10.18958/6355-00001-0001277-00

高血圧に対する非薬物治療として運動療法が有用と「されている」一方で,機序については十分検証されていないのも事実である.血圧は心臓・血管・腎臓など多臓器がネットワークを形成し動的に恒常性が維持される.心拍出量と血管抵抗によって決定され,システム中枢は脳である.脳は神経性と液性因子入力を情報処理し,交感神経・副交感神経として出力する.つまり,循環制御システムがロバスティックに動作していれば高血圧にはなりえず,運動が高血圧に有効であるならシステムのどこに作用しているかを検証する必要がある.

高血圧,運動,交感神経,酸化ストレス,脳

この記事は有料記事です

(残り約6,600文字)

  • 【スマホで読める実験医学】運動と高血圧:ヒポクラテスの名言「歩くことは人間にとって最良の薬である」は本当か?
    550円