本コンテンツでは,「実験医学」に2012年4月から全6回にわたって掲載された連載『ヒトの病気に潜む進化の記憶を探る 進化医学(井村裕夫)』より,連載 第1回と第4回を抜粋,公開いたします.ゲノムの個人差,個の医学が注目される現代,ゲノム進化の立場から医学を見つめなおす学問分野として,その重要性をさらに増している「進化医学」.ヒトの宿命と生命の原理にも迫る内容をぜひご一読ください.本連載から大幅加筆・改訂された単行本「進化医学 人への進化が生んだ疾患➡」も,好評販売中です! (編集部)
人はなぜ病気になるのか? 進化に刻まれた分子記憶から病気のメカニズムに迫る
プロフィール
- 井村 裕夫(Hiroo Imura)
- 1954年,京都大学医学部卒業,内科学とくに内分泌代謝学を専攻,’77年より京都大学教授,視床下部下垂体系,心血管ホルモン,膵ホルモンの研究に従事,’91年,京都大学総長に選出され,高等教育一般にかかわる.’98年,総合科学技術会議議員として,第2期科学技術基本計画の策定,科研費などの研究費の増額,新しい研究施設の整備などに努力.2004年より先端医療振興財団理事長として神戸医療産業都市構想の実現に努めると同時に,科学技術振興機構研究開発戦略センターで臨床研究の振興方策を提言,またこれからの臨床研究として先制医療の重要性を提言している.一方生命進化の過程から病気の成り立ちを考える進化医学に興味をもっている.