液-液相分離(liquid-liquid phase separation,以下相分離とする)は,細胞質内の構造やストレス顆粒,パラスペックルなど核内構造体の形成に重要な役割を担うことが知られてきた.今回,高濃度のタンパク質や核酸からなる細胞核の溶液成分と核質(nucleoplasm)の局所的な凝縮,すなわち,相分離が核内の動きを感知して,ゲノムを再構成することが示された(Shin Y, et al:Cell, 175:1481-1491, 2018).これは,遺伝子制御の物質的基礎を提示することになる.
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