News & Hot Paper Digest
トピックス

睡眠制御に重要なパスウェイの同定

筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構 史 蕭逸

2022年12月はFIFA W杯カタール2022で寝不足になっていた読者も多かったのではないだろうか.睡眠が不足すると,疲労や高血圧といった身体的変化が生じ,注意力や意欲といった認知的な能力も低下するが,不足した睡眠を補うことでそれらの機能を正常に戻すことができる(その意味においては,日本―スペイン戦の翌日に仕事を休むことは間違いとはいえない).このように睡眠は生理機能の恒常性維持において重要な役割を担う.それだけでなく睡眠自体も恒常的に制御されることは大変興味深い.例えば,マウスは12時間,アルマジロは20時間ほど眠ることが知られており,断眠実験によって奪った睡眠は実験後,すみやかに補われる.それでは睡眠の恒常性を担う生物学的な実体はどのようなものだろうか.

.....

本コンテンツの続きをご覧いただくためには「羊土社会員」のご登録が必要です.

DOI:10.18958/7195-00004-0000436-00

2023年3月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2023年3月号 Vol.41 No.4
COVID-19重症化・後遺症のメカニズム
免疫応答の個人差がみえてきた

熊ノ郷 淳/企画
サイドメニュー開く