Special interviews at Washington University School of Medicine Microbiome and Human Healthcare

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Microbiome―微生物が語るメタボリズムの新たな理解

Jeffrey I. Gordon, M.D.
Director of Center for Genome Sciences,Washington University School of Medicine

実験医学2010年1月号特別インタビュー)

 私たちの体の中には,百兆近くもの微生物が生息している.近年,腸内の微生物が私たちの健康状態,特に肥満や代謝に大きな影響を与えていることが明らかになってきた.では実際に微生物はどのように働き,どのように肥満に関わっているのだろうか?
「この星は微生物が優位に立つ生物圏であり,真核生物がこの世界に登場したのは微生物より後のことなのです.だからこそすべての生命は,どのように微生物と共存するか,微生物自身が他の微生物種とどのように共存するか,そして微生物が宿主とどのように共存するのかを学んでこなければならなかったのです」と,Jeffrey I. Gordon(ジェフリー・ゴードン)先生は語る.

 Gordon先生はゲノムシークエンスや遺伝子改変マウスの技術を用いて,腸内の微生物叢のマイクロバイオーム(microbiome:生物環境を構成する微生物群のゲノムの総称)を解析し,宿主との共生関係とその制御機構を長年にわたり研究されている.本インタビューでは,Gordon先生の研究の軌跡と最新の技術戦略,そして国際的に広がるヒトマイクロバイオームプロジェクトの動向をうかがった.研究室から多数の優れた科学者を輩出し,メンター(mentor)としても多くの尊敬を受けている Gordon先生の研究理念に触れていただけたら幸いである.

Jeffrey I. Gordon先生 写真
  • Director of Center for Genome Sciences/
  • Dr. Robert J. Glaser Distinguished University Professor,
  • Washington University School of Medicine

Jeffrey I. Gordon, M.D.

1973年シカゴ大学にてMDを取得.米国セントルイスのバーンズ病院で臨床医としてのトレーニングを積んだ後,'75年よりNIHの生化学研究室で研究員,'78年バーンズ病院でSenior Assistant Residentとして勤務.'79年ワシントン大学の胃腸病学フェロー,以降同学にてAssistant Professor('81年),Associate Professor('85年),Professor('87年)を経て,2004年,同学Center for Genome SciencesのDirectorに就任,現在に至る.Microbiome研究の第一人者として,長年にわたり数多くの研究成果を報告している.米国科学アカデミー,米国芸術科学アカデミー会員.

本インタビューは,2009年7月に米国セントルイスで「実験医学」編集部が行いました.Gordon先生のインタビューの日本語版記事は,実験医学本誌(2010年1月号)に掲載しています.Gordon先生の流麗な英語のメッセージを,ぜひお聞きください!

「月刊実験医学1月号」イメージ

実験医学2010年1月号に日本語のインタビュー記事が掲載されています

特別インタビュー

Microbiome -微生物が語るメタボリズムの新たな理解

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