エビデンスは増えたかもしれないが,わかっていることとわかっていないことの狭間に立ちながら,迷いつつ何らかの決断を行っている姿には今も昔も変わりはない.医学は「不確実性の科学」と呼ばれる.どこまで科学的な知見を積み重ねたとしても,臨床現場には何らかの不確実性が残る.結局のところ,われわれとしては「エビデンス」の示す適正な診療の幅を踏まえながら,さまざまな要素(患者の意向や,保険制度,その他もろもろ)を勘案しつつ,自らの経験を参照しながらこの不確実性に対処していくほかない.その診療のしかたを学ぶことが,臨床研修の1つの意味である.診療現場で,指導医とともに,患者との対話を重ねながら日々の判断を積み重ねていくことを通してこそ,そのような方法が体得できるように思う.本特集では,「薬のさじ加減」と題し,初期研修医が経験することの多い疾患を中心に,主として薬剤投与に関して,治療をどのように調整するのか(いつ減らすのか,いつ止めるのか,いつ変えるのか)をテーマに,一線で研修医の指導にあたっておられる経験豊富な指導医の先生方に執筆いただいた.エビデンスを踏まえながらも,それでもなお不確実な部分にどのように対処するかを解説いただいている.先述のようにそのような診療スタイルは診療現場でこそ学ぶことのできるものではあるが,優れた指導医の方法は,今後経験を積み重ねていくうえで1つの指針を与えてくれるものになるであろう.本特集が,そのような意味で読者諸氏の参考になれば幸いである.
エビデンスは増えたかもしれないが,わかっていることとわかっていないことの狭間に立ちながら,迷いつつ何らかの決断を行っている姿には今も昔も変わりはない.医学は「不確実性の科学」と呼ばれる.どこまで科学的な知見を積み重ねたとしても,臨床現場には何らかの不確実性が残る.結局のところ,われわれとしては「エビデンス」の示す適正な診療の幅を踏まえながら,さまざまな要素(患者の意向や,保険制度,その他もろもろ)を勘案しつつ,自らの経験を参照しながらこの不確実性に対処していくほかない.その診療のしかたを学ぶことが,臨床研修の1つの意味である.診療現場で,指導医とともに,患者との対話を重ねながら日々の判断を積み重ねていくことを通してこそ,そのような方法が体得できるように思う.
本特集では,「薬のさじ加減」と題し,初期研修医が経験することの多い疾患を中心に,主として薬剤投与に関して,治療をどのように調整するのか(いつ減らすのか,いつ止めるのか,いつ変えるのか)をテーマに,一線で研修医の指導にあたっておられる経験豊富な指導医の先生方に執筆いただいた.エビデンスを踏まえながらも,それでもなお不確実な部分にどのように対処するかを解説いただいている.先述のようにそのような診療スタイルは診療現場でこそ学ぶことのできるものではあるが,優れた指導医の方法は,今後経験を積み重ねていくうえで1つの指針を与えてくれるものになるであろう.本特集が,そのような意味で読者諸氏の参考になれば幸いである.
呼吸・循環・消化器治療薬から,ステロイド,抗菌薬,輸液まで,患者さんの治療経過に応じた薬の中止・変更・減量ポイントとその実際を解説.不要な薬を漫然と投与しないために,自ら調整できる力を身につけよう!
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