書籍『科研費獲得の方法とコツ』(現在は第8版,発行:羊土社)では,科研費の申請が初めて,あるいは慣れていない研究者の皆さまへ向けて,科研費の概要・応募戦略の立て方・申請書の書き方などを解説しています.
ここでは,常に変更される科研費制度に関して,書籍からの更新点を著者の児島将康先生に随時ご紹介いただきます.ぜひ定期的にチェックしてください.
令和5年度の科研費公募が終了して,まだ審査も始まっていないのだが,すでに令和6年度の科研費公募スケジュールが発表された(つまり来年2023年の科研費公募のスケジュールが発表された).応募者数の多い基盤研究(B, C),若手研究,挑戦的研究(開拓・萌芽)の公募開始が7月中旬と約半月早くなった.その他,学術変革領域研究(領域研究の申請)や特別推進研究,基盤研究(S)では公募開始時期が4月中旬とかなり早くなっている.
また公募開始時期が早くなるとともに,公募締め切りも早くなるので注意が必要だ.
令和5年度と比較して,令和6年度の公募スケジュールを表にしておく.
研究種目名 | 公募開始時期 | 公募締め切り | 審査結果の通知 | 交付内定 |
---|---|---|---|---|
特別推進研究 | 令和5年4月中旬 (令和4年7月1日) |
令和5年6月中旬 (令和4年9月5日) |
令和6年1月上旬 (令和5年3月下旬) |
令和6年4月上旬 |
基盤研究(S) | 令和5年4月中旬 (令和4年7月1日) |
令和5年6月中旬 (令和4年9月5日) |
令和6年2月中旬 (令和5年5月上旬) |
令和6年4月上旬 |
基盤研究(A, B, C) | 令和5年7月中旬 (Aは令和4年7月1日, BとCは令和4年8月1日) |
令和5年9月中旬 (Aは令和4年9月5日, BとCは令和4年10月5日) |
令和6年2月下旬 (A, B, Cとも令和5年2月下旬) |
令和6年4月上旬 |
若手研究 | 令和5年7月中旬 (令和4年8月1日) |
令和5年9月中旬 (令和4年10月5日) |
令和6年2月下旬 (令和5年2月下旬) |
令和6年4月上旬 |
挑戦的研究(開拓・萌芽) | 令和5年7月中旬 (令和4年8月1日) |
令和5年9月中旬 (令和4年10月5日) |
令和6年6月下旬 (令和5年6月下旬) |
令和6年6月下旬 |
学術変革領域研究(A, B) (領域研究の申請) |
令和5年4月中旬 (令和4年5月23日) |
令和5年6月中旬 (令和4年7月19日) |
令和6年2月下旬 (令和5年2月下旬) |
令和6年4月上旬 |
学術変革領域研究(A) (公募研究) |
令和5年7月中旬 (令和4年8月1日) |
令和5年9月中旬 (令和4年10月5日) |
令和6年2月下旬 (令和5年2月下旬) |
令和6年4月上旬 |
奨励研究 | 令和5年7月中旬 (令和4年8月1日) |
令和5年9月中旬 (令和4年10月5日) |
令和6年2月下旬 (令和5年2月下旬) |
令和6年4月上旬 |
表中の( )内に記載したのは令和5年度公募(つまり今年2022年の公募)のスケジュール.交付内定時期は変更の可能性あり.
基盤研究(B, C),若手研究,挑戦的研究に応募する方は約半月の前倒しで十分に対応できるが,特別推進研究や基盤研究(S)および学術変革領域研究(領域研究の申請)では4月中旬から公募開始なので,年明けくらいから準備する必要がありそうだ.