学術振興会特別研究員の募集要項が発表 申請書フォーマットの変更あり(2025.02.06掲載)

執筆:久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役児島 将康

2月3日に学術振興会特別研究員の募集要項が発表された。今年の公募では申請書フォーマットの変更がいくつかあるので、注意が必要だ。


 その変更点は、


1)「【2】研究計画」の最初に「研究課題名」と「研究の概要(500字程度)」を記入する

今年の申請書から「【2】研究計画」のはじめは「(1)研究の概要及び研究の位置づけ」という欄になっている。昨年までは「(1)研究の位置づけ」だったので大きな変更だ。審査する立場からすると、この部分が「研究課題名」と「研究の概要」ではじまるのは、申請書の内容を把握しやすくなるのでとてもありがたい。申請者の立場からしても自分の研究をわかりやすくする魅力的に伝える工夫のしどころだと思う。


2)「(2)研究目的・内容等」の②のところに研究の「年次計画」「研究計画が想定通り進まなかった場合の対応方法」を記入する

「②」は昨年までは「どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのか、特別研究員奨励費の応募区分に応じて、具体的に記入してください」とだけ書かれていたが、今年から「どのような計画で、何を、どこまで明らかにしようとするのか、特別研究員奨励費の応募区分に応じて、 年次計画を示し、 具体的に記入してください。研究計画が想定通り進まなかった場合の対応方法があれば、あわせて記入してください」となった。つまり記入してほしい項目が明示された。「研究計画が想定通り進まなかった場合の対応方法」が「あれば」となっているが、研究は想定通り行かないことが普通だから、書いておくのがよいだろう。ここを書いておくことで、研究の実現可能性が高いこともアピールできる。


3)「研究遂行能力の自己分析」のところで、記載内容は変わらないのだが、枠内の説明文と、その下の斜体の説明文の構成が変更になっている

この部分に求められている内容を書くのが難しい人が多くて説明文を変更したのかもしれない。この部分の記載については拙著(P197 〜)を参考にしてもらいたい。


4)「目指す研究者像等」の部分がなくなった

この部分は評価の対象にはほとんど関係ががなく、書くのも大変だったろうから、審査する側にとっても申請者にとってもなくなったことはよかったのかもしれない。


5)審査委員の人数が昨年までの6名から5名に減少した

科研費の審査委員減少と同じ変更。科研費のときと同じようにひっそりと変更されているが、重要なことなのでもっときちんと知らせてほしいと思う。


このように昨年度の申請書とは異なった部分があるので、作成にあたって注意が必要だ。

募集期間は4月上旬から6月3日まで。

参考情報

本書関連項目

  • 3章-15.日本学術振興会特別研究員の申請書について(P191〜)

出典

これまでの速報

児島 将康

(久留米大学客員教授,ジーラント株式会社代表取締役)

書籍「科研費獲得の方法とコツ」「科研費申請書の赤ペン添削ハンドブック」著者.毎年の科研費公募シーズン前後に20件近くの科研費セミナーで講演し,理系・文系を問わず申請書の添削指導を行っている.令和6年4月より研究者を支援するジーラント株式会社(https://g-rant.org/)を立ち上げ,活動している.

科研費に関する書籍・ウェビナーや制度の変更点など,科研費申請に役立つ情報を発信しております.
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