本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第25問のこたえ
先月の「一本道」の答えはこちら.
左上から右下まで,横に書かれた数字に合うように一本の道を繋いでいくと,解答図のようになります.線が曲がった回数を数えると『9回』.このパズルを解くポイントは,「1」の列です.「1」の列を線が一度通り過ぎると,その線は二度と「1」の列に戻ってくることはありません.「1」の列に注目して,線の大体の道筋を考えながら,大きい数字の列を使って線の細かな動きを決めていくと,自然と解けていくかと思います.このパズル,海外のパズル雑誌では「Tunnel」や「Snake」という名前でたまに見かけることがありますが,日本のパズル雑誌ではあまりお目にかかりません.先月号の特集「中枢神経を再生せよ!」から“一本に繋がった神経”を思い浮かべ,このパズルにしました.
さて,もう何度か書いていますが,僕は研究者時代,脊索動物であるホヤを材料として研究を行っていました.その頃は,脊椎動物の頭部を構成する脳や脊髄などの中枢神経系の原始的な形態がホヤではどのように存在しているのかという比較が行われ,手法としてはさまざまなマーカー遺伝子の神経系での発現を確かめるというような,穏やかな時代でした.10年以上が経過した今では,ミュータジェネシスやイメージングといった技術の発達とともに,形態形成についても,生理機能についても,細胞1個1個に注目した解析が進み,ホヤは脊椎動物の中枢神経を理解する格好のモデルとなっているように思えます.今後のさらなる発展が楽しみです.
では,また来月.次回も楽しいパズルをお届けします.