本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第63問のこたえ
先月の『5文字をひろえ!』は,楽しんでいただけましたか? ある程度の知識が必要となるのはもちろんですが,最初の手がかりが少なく,運よく何かを思いつかなければどうしようもないタイプのパズルでしたので,苦労された方も多いかもしれません.最初はランダムに目についた文字をつなげて単語を推測するしかなく,例えば,Aを求める左の問題だと「おぞん??」「えいよう?」を見つけることが糸口になるかと思います.そこからAが「そ」ではないかと推測して,さらに他の単語がつくれることを確認したら,1問クリアです.真ん中の問題では「にく???」「?すぱちょ」,右の問題では,「???ぞう」「ほたる??」「???がに」などが糸口になったでしょうか.その後,試行錯誤を続けると,Bには「が」,Cには「い」が入ることがわかり,それら3文字をつなげた「そがい」が正解となります.この問題では,何の手がかりもない暗闇からスタートして,文字がわかってくるにつれて,どんどん明るくなり,道がつながっていく過程を楽しんでもらえれば幸いです.
ここまでは,問題内の文字列から得られる糸口のみからの解法を書きましたが,実際は,A,B,Cをすべてこの形で導き出せた方は少ないのではないでしょうか? 何とか1文字が判明したときに,先月号の特集テーマの「免疫チェックポイント阻害薬」を頭に浮かべて,解答は「そがい」じゃないかと推理した人も多いのではないでしょうか.作中から得られる情報以外の情報から推測する,いわゆる「メタ推理」というやつです.推理ゲームでは時として嫌われることもある「メタ推理」ですが,パズルの世界では,それも戦略ということで認められていたりします.あの作家がつくったパズルだから,きっとこのピースは,こういう使い方をするに違いない…とか,あの作家のパズルは問題文にひっかけがあるんだよな…とか,メタ推理を解答を導く一助として利用するのも,一種の楽しみでもあります.僕自身,作者として,読者の皆さんにメタ推理をしてもらえるということは,連載が続いているおかげかとも思いますので,少し嬉しさもあります.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!