本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第80問のこたえ
先月の『クマがクモに?』は楽しんでいただけましたか? 与えられた図式から,そこにある法則を探っていくヒラメキ問題でした.タイトルに含めましたが,左下の図式の「くま」→「くも」が一番の手がかりになるかと思います.そのヒントから,「ま」が「も」になっているなぁ……「ま」が「も」,つまり矢印上のイラストは「まがも」であり,左右のイラストの生物名の変換方法をあらわしていると気づければ解明の第一歩.右下の図式は真ん中が「おうむがい」ということで「おうむ」が「い」になっていることも確認したら,解けたも同然です.あとは解答の図式が「くわい」を「くわがた」(「くわ」が「た」)で変換し「たい」になることがわかったら,4つの選択肢のなかでは「②」が正解であるとわかると思います.ちなみに,左上は「かざり」を「ざりがに」で変換して「かに」,右上は「たか」を「たがめ」で変換して「めか」が意図解でした.正解にたどり着いた方も,この2つまでしっかり意図解にたどり着いたという方は少なかったかと思います.
今回の左上の図式のカニは,モクズショイというカニを想定してのイラストでした.ハサミの部分をはじめ,体全体に生えているカギ状の毛にカイメンや海藻をつけて生活するカニです(実際の姿はイラストとは少し異なります).カニにはその他にも,カイメンや貝を保持するカイカムリや,イソギンチャクを保持するキンチャクガニ,海藻を背負うイソクズガニなど自分を飾る種は多く,飾る理由については,擬態によって環境に同化し捕食者から逃れるということでカニ側の都合を中心に語られることが多いようです.しかし,一部のヤドカリとイソギンチャクの間に成立しているような,ヤドカリはイソギンチャクによって身を守り,イソギンチャクは生息域が広がるといった相利共生関係が,カニとそれを飾るものの間にもあるのかもしれないと思いを巡らせるのも楽しいかもしれません.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!