本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第43問のこたえ
先月号の『折り帯アルファベット』の答えはこちら.まず①は頭のなかで折り進められた方も多いのではないでしょうか.『P』になります.次に②ですが,左から折り進めたときの最後の3つの折りの処理がうまく想像できると正解の『D』にたどりつきます.④も一度折り返して戻るところがうまく想像できたら『F』になります.残る③は,何か複雑な形のアルファベットだなと想像した人は多いと思いますが,頭のなかだけで折り上げられた方はかなりの折り帯名人です! 実際に帯を切り出して正確に折ってみると『G』になることがわかると思います.4つの文字をつなげると『PDGF』(血小板由来成長因子)が答えとなります.この折り帯アルファベットパズルは誰でもつくれるパズルです.興味ある方は,長い紙帯を用意してAからZのアルファベットをつくってみてください.アルファベット文字は平仮名の「い」や「な」のようにパーツが離れていないので,必ずつくることができます.慣れてくると,いかに折り返しを少なく,短い長さでつくれるか…などと追及していくようになるともう立派な折り帯マニアです.
折り紙や折り帯などは,小さい頃から親しんでいることもあってか,子どもの遊びのように思われがちです.ですが,この遊びの根源である「折る」というテーマは1990年頃から計算機科学の分野で研究の対象となりはじめ,近年では宇宙開発や人工血管など,折り紙工学として産業の世界まで幅広く活用されています.生物においても,昆虫の羽化の際に小さく折りたたまれた羽根が広がるしくみや,植物のツボミが開花するしくみの解明が行われ,それらが宇宙船の太陽電池パネルの開閉などに応用されているという研究もあり,非常に興味深いところです.
折るつながりで少し話が脱線しましたが,今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!