本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第69問のこたえ
先月の『3種の細胞』は楽しんでいただけましたか? 先月号の特集テーマは「クローン進化と疾患発症」でしたので,3種類の細胞が集団をつくっている様子をイメージしてパズルを考えました.「3つの連続するマスが『すべて同じ』や『すべて違う』となってはいけない」というルールを,いかにうまく理解して使いこなせるかが鍵となります.今回のパズルでは,4マスの並びを考えることが手掛かりの一つです.例えばABCの3種が,「A?AB」という順で並んでいると,「?」に入るのは「B」になります.「AB?C」という順でならんでいたら,「?」に入るのは必ず「B」になります.見逃しやすい,ナナメの並びも気にかけながら,わかるところからゆっくり埋めていきましょう.最後の頃は,ルールにもすっかり慣れて,ヒントも多くなるので,どんどん盤面が埋まっていく爽快感を味わえたかと思います.すべて埋めたあとの赤い細胞を数えて,「13個」が答えとなります.本連載では初出のルールがあるパズルには,必ず例題をつけるようにしています.そのようなパズルはまず例題を解いてみて,自分なりにパズルの解き筋を見抜くのが大切になってきます.結果が明らかであるところで自分の手法を確認する作業は,コントロール実験と似ているかもしれませんね.
特集における,疾患にかかわる変異細胞のクローンからは話がそれますが,発生の世界においてもクローン技術は話題に事欠きません.ウニの初期胚を人工的に分割してできるクローン,そして核移植によって得られるカエルのクローンは僕の学生時代の発生生物学の授業では必ず聞く話でしたし,同時期に話題になった,クローンヒツジのドリーを発端としたブタ,マウス,ラット,ウマなどの哺乳類のクローン動物については興味深く見ていた覚えがあります.こうした延長線で,研究倫理面からの課題も多々あがり議論となってもいます.いつの時代においても,技術と倫理との間での落としどころについては,悩みながら進めていかなければならないことですね.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!