本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第47問のこたえ
先月号の『イルカは軽い?』の答えはこちら.今風に言うと「謎」ということになりますが,ひらめき系のパズルからの出題でした.謎は,問題の図式を見て,その図式にどういう仕掛けがあるのかがひらめかない限り,何も進みません.そこで,今回は問題タイトルにヒントを入れてみました.ヒントは「いるか」と「かるい」ということで,逆から読むと別の意味になる言葉,というのが仕掛けになっています.ここまで気づいても,今度は右と左に書かれているヒントから該当の単語を探していかないといけないので,もうひと頑張り.いろいろ探っていくと,お金「外貨」と絵「絵画」,鳥「インコ」と親しい「懇意」,紙「濾紙」と色「白」が入ります.最後に,赤枠の文字をつなげると「回路」ということになります.
一番身近にあるツールは言葉ということで,言葉を使った遊びというのは,古今東西さまざまにあります.昔からある子どものいたずらで「てぶくろを反対からいってみて」「ろくぶて」というものがありますが,これは倒語とよばれます.先月号のパズルのような仮名読みの倒語以外にも「温室」と「室温」,「出演」と「演出」など漢字の倒語,「GOD」と「DOG」,「FLOG」と「GOLF」など英語の倒語もあります.もう一つ有名な言葉遊びは「トマト」「しんぶんし」など,回文とよばれるものです.こちらも,漢字だと「日曜日」「水道水」,英語だと「EYE」や「LEVEL」など,少し長い文では「竹藪焼けた」「私負けましたわ」などが有名です.これらの言葉遊びは,遊びとしてだけではなく,言語学の世界ではかなり深く研究されていますが,身近な生物学の世界にも登場します.「パリンドローム配列」と呪文のように覚えている方もいるかもしれませんが,回文は英語でpalindromeといいます.制限酵素やヘアピン構造をつくるものとしてよく知られているあの構造も,生体物質なりの遊びなのかもしれませんね.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!