本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第78問のこたえ
先月の『キーボードを復元せよ』は楽しんでいただけましたか? まずは盤面とピースを眺めて,少しピースを入れてみることからはじめましょう.しばらく試行錯誤していくと,盤面の左上に入るピースがピラミッド型のものに決まることがわかってきます.その後の残りの盤面では,左下に入るピースの候補が限られていく……といった具合で,順次あてはめていくと解答図のように埋まります.そこで,赤いキーのある列を見ると『D』が答えとなります.こういう図形パズルは,ピースの形に慣れるまでが大変かもしれませんが,論理的に攻めなくても,行き当たりばったりで入れていってもらえればなんとか完成できるようにデザインしていますので,少し苦手意識のある方もぜひ挑戦してみてください.すべてはまって完成すると,すっきりした気分になれるかもしれません.
先月号の特集は,データ駆動型のAIと仮説駆動型のシミュレーションによる基礎研究へのアプローチがテーマでした.生命医科学の分野,特に臨床分野ではこれまで大量のデータが蓄積されていることから,それらをAIに学習させることで,がんの早期発見をめざしたソフトなどもすでに現場で活躍しており,他にも疾患予防や疾患リスクの予測をめざした多くの研究が目立つようになっています.一方で,基礎研究においても,機械学習の過程で用いられる主成分分析(PCA)を活用した研究などは,マイクロアレイが活用されだした2000年代からすでにあったように思います.基礎研究においては,AIなどから導き出される仮説の発見はスタートラインであり,それらをwetな実験などで証明してようやく認められるといった意識があるように見受けられることからも,AIが表に出てくる事例が少ないように見えます.ただ,すでに大量解析時代に入って20年以上経った今,今後はAIを活用した新たな研究結果が続々と発表されだすのではないかと期待しています.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!