本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第68問のこたえ
先月の『1本鎖ゲノムを復元せよ』は楽しんでいただけましたか? 久しぶりの“復元せよ”シリーズ,本連載では過去最大の8個のピースを使った線繋ぎパズルとなります.下部に見えているウイルスの端からスタート.断片をよく見ると,H枠には1つの断片しか当てはまるものがないことがわかると思います.このまま一本道で解けていけば,パズルというよりはただの作業になりますが,次のG枠に入る断片は1つには絞れずに,2種類の候補が.この先は試行錯誤しながら進めていくことになります.うまくつながるとH→G→D→C→A→B→E →Fとゲノムがつながっていきますので,もう一方のゲノムの端が入る位置の「F」が答えとなります.
先月号の特集テーマ「COVID-19」ということで,ウイルスゲノムをテーマにしました.ウイルスにはさまざまな形がありますが,個人的には,そのなかで圧倒的に興味をひかれるのが,バクテリオファージです.僕が生命科学を漠然と好きになったきっかけが僕の中学生時代に放送されていたNHKスペシャルの「生命」シリーズと「人体」シリーズ.当時はそれほど多くなかった,さまざまなCGを活用しながら,生命の不思議を見せてくれる番組でした.なかでも,カンブリア紀の海中生物であるアノマロカリスの姿が印象的でしたが,並んで印象に残っているのが,正20面体の頭部と月着陸船のような独特の形態をもつバクテリオファージが動く姿でした.今思えば,その他にも,番組でゲノムや進化など生命の不思議をたくさん感じられたことで,僕のその後の中高時代の生物部活動から大学の研究へとつながったように思えます.話が少しそれましたが,ウイルスは形も幾何学的なものが多く,パズルと相性がいいと思うので,今後も機会があったら,テーマとして採用することがあるかもしれません.そのときはまた,ウイルスパズルをお楽しみください.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!