本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第16問のこたえ
先月のチャレンジ問題「バラバラの腸」の答えはこちら.
この手のピースをはめ込んでいくパズルは,解答に至るためには,試行錯誤しながらピースをはめていってもらうしかありません.出題の際にも書きましたが,これくらいのピース数になるとパズルに慣れている人でも“目で解く”のはきつくなりますので,ピースをつくって挑戦することをお勧めします.ピースをつくると案外簡単に解けたのではないでしょうか? 解答を見て,実際の腸の構造と違う! という指摘もあるかとも思いますが,あくまで「腸が胃から肛門までつながっている」というコンセプトを使ったパズルということでご容赦ください.余談ですが,この問題を出すとき「気持ち悪いって思われないですかね?」と少し心配で編集者の方に確認したのですが,「大丈夫だと思います」と即答いただきました.コアな内容で,本誌にしか提供できないパズルだと思いますので,お楽しみいただけたなら幸いです.
僕自身はホヤの初期発生の研究者でしたので,先月号の特集テーマである「腸」については,研究者時代は特に注目することなく過ごしていました.唯一の接点と言えば,2011年にNature 誌に掲載された,次世代シークエンサーによる腸内細菌叢の大規模解析の論文を,当時の所属研究室内のJournal Clubで紹介したのを覚えています.その後,腸内細菌叢の研究は飛躍的に発展し,遺伝要因や環境要因との関係,肥満や美容との関係など,さまざまな角度から研究が進められているようです.個人的には,先日,プロテオミクス解析で協力した研究が論文発表されたのですが,その内容が,腸に関係していて,偶然の一致をひそかに楽しんだ次第.ホヤやその他脊索動物の腸管の構造を詳しく調べ,それらを哺乳類と比較することで,哺乳類にみられる腸内細菌との共生関係の特殊性を明らかにしたということで,哺乳類の進化を腸と細菌の関係から探る,ユニークな研究です.
では,また来月.次回は,本格パズルをお楽しみください.