本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第51問のこたえ
先月号の『細菌を分けよう』は楽しんでいただけましたか.L字型を組合わせた長方形で盤面を分けられるということに気づいて,サクサクと分けることができた問題もあったのではないでしょうか.長方形だけでは分けられない盤面もあり,その場合は,さらに試行錯誤していただくことになります.結果,盤面B以外の,A・C・Dの盤面は解答例のように分けることができますので,答えは『B』となります.本問でも使った,正方形4枚をつなげたL字型はパズルとの相性が非常によい形状で,いろいろなパズルのネタになってきました.本連載内でも「L字型のマイクロピペット」を使ったパズルを2019年10月号に出題しています.これまでの本連載のパズルは,すべて羊土社のweb上でご覧いただけますので,最近パズルコーナーを知ったという方で興味のある方は,ぜひ挑戦してください.
先月号の特集テーマは「口腔細菌叢」でした.個人的に「細菌叢(microbiome)」という言葉を初めて聞いたのは,2006年頃にScience誌とNature誌に立て続けに発表された,腸内細菌叢の論文でした.もちろん,細菌叢の研究はもっと古くから行われていたのだと思いますが,大きく変貌を遂げたのは,次世代シークエンサーを活用したメタゲノム解析をとり入れはじめたこの頃からだったのではないでしょうか.個人的には,1つの生物のゲノムやトランスクリプトーム,プロテオームの解析でお腹がいっぱいだったなかで,さらに何万という生物種を一気に扱う細菌叢研究は,かなり理解が追い付かない部分もあったのですが….同時期には,ゲノム解析で名を馳せた,クレイグ・ベンターがヨットで世界中を航海しながら,海洋微生物群を解析するというプロジェクトも話題になり,新しい時代の到来をおぼろげながら感じたことを覚えています.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!