本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第84問のこたえ
先月の『裏を見て推測せよ!』は楽しんでいただけましたか? 習字の画のつながりなんか考えたことないぞ,とか,実際の刺繍の表面は細い糸にならないぞ,などというツッコミもあると思いますが,それはさておき,うまく裏面の状態を元に解くことができたでしょうか.ぽちっと残る角の部分が,案外解くときのポイントになるということもあり,2文字目の「互」が最初にわかったという方も多いかもしれません.また,個々の漢字は基本的に左上から始まり,右下で終わることから,文字の間は長い斜め線でつながります.そこから文字を区切って,一文字ずつ落ち着いて推測していくと,『相互作用』が答えとなります.比較的パズルの仕掛けとしては古いものですが,あまり問題として出てくることは多くないため,とっかかりが難しかったという方も多いと思います.本問に取り組む前に,小学校1年生で習うような簡単な漢字の裏面を考えてみて予習をしたりすると,より解きやすかったかと思います.特に「目」の裏面のカタカナの「キ」のような形や「木」の裏面の「イ」のような形などは特徴的なので,予習をした方にとっては,本問でも目についたかと思います.
先月号の特集は,がん関連線維芽細胞(CAF)がテーマでした.CAFは,がん細胞と相互作用することで腫瘍形成を促進する,という嬉しくない機能をもつことが知られています.しかし,逆にがん細胞自体を創薬ターゲットにするのではなく,脇の細胞であるCAFをターゲットにすることで治療の可能性を広げられるという側面ももつようです.線維芽細胞と言えばその増殖因子のFGFが有名ですが,成体内での働きだけでなく,脊椎動物と無脊椎動物どちらの発生研究でも,たびたびその名前を耳にしたことを思い出しました.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!