本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第39問のこたえ
先月号の『バラバラの筋肉』の答えはこちら.久しぶりのこのタイプのパズル,お楽しみいただけましたか?先月号の特集テーマが「骨格筋維持」ということで,どういうパズルにしようかといろいろな資料を探していたら,筋肉の断面の図解が目に留まりました.これは使えそうということで,バラバラにしてパズルに仕立てたのがこの問題です.試行錯誤しながらということにはなりますが,とにかく,偶然にでもはまってしまえばそれが答えです.A・B・D・Eの4つのピースをうまく組合わせると断面が完成しますので,残った『C』が答えとなります.
特集テーマの骨格筋よりかなり原始的な話になりますが,研究者時代に扱っていたホヤのオタマジャクシ幼生にも脊索の左右に約40個の細胞からなる筋肉があります.それら筋肉細胞の一部は,卵細胞質中に局在する筋肉決定因子により細胞自律的に分化しているということが,100年以上前から知られていました.学部生時代の2001年には,筋肉決定因子の機能を示す母性mRNA,macho-1が東京工業大学の西田ら(現大阪大学)により報告され,話題になったことを覚えています.その後,このmacho-1は筋肉だけでなく,間充織や脊索,内胚葉の分化にもかかわっていることなどが報告され,ホヤのモザイク的発生機構の一端を明らかにしていくこととなりました.
また昔の研究に思いを馳せることになりました.来月のパズルもお楽しみに!