本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第57問のこたえ
先月号の「割れた基盤」は楽しんでいただけましたか? 久しぶりの「割れた」シリーズでした.僕自身,実験室にあるものは大体割ってきたかと思うのですが,先月号の特集のテーマが「スパコン」ということでしたので,コンピューターの基盤をモチーフにしてみました.これまで本コーナーで扱ったもの(シャーレなど)も含め,現実的には,割れてしまうと復元しても意味がないものではありますが,パズルのなかでは,その復元の過程を楽しんでもらえればと思います.何度も書いていますが,このタイプのパズルは解き方としては,試行錯誤する以外には道はありません.今回の場合は,すでに置いてあるピースがありますので,その隣に来る可能性のあるピースを順番にあてはめていくことになります.うまくすべてのピースがはまると,解答図のようになり,ICチップを含むピースがはまる「B」が答えになります.
僕自身は,次世代シークエンサーがいろいろな大学の研究室でも使われだした頃に研究現場から離れてしまったので,真の大量データ時代は経験していません.しかし,ゲノム配列決定の現場も間近で見ていましたし,マイクロアレイ解析などは自身でも行っていました.カスタムマイクロアレイが44 Kという時代だったので,当時のExcelで扱うことができる行数,65,536行を限界近くまで使いながら,Excelの内部関数やグラフを駆使して解析を行っていました.その後,アレイサイズが105 Kや244 Kになったり,プロテオミクス解析で10万を超えるスペクトルデータを一度に扱うようになりました.とうとうExcelでは厳しいと思い始めた頃に,なんとExcel 2007が登場.最大100万行を扱えるようになったことで,その後も結局,Excelから本質的に脱却することはなく過ごしました.もちろん,近い将来,データ量がさらに増大し,一般の研究者が得られるレベルのデータを解析するときでさえも,スパコンが必要になる時代が来るということも想像に難くなかったので,先月号の特集も楽しみに読みたいと思います.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!