本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第46問のこたえ
先月号の『プラスミドを復元せよ』の答えはこちら.パズルとしてはピース同士の繋がりを考えて組み合わせていく「マッチングパズル」とよばれるパズルの一種になります.解くにあたっては,青い切断面をもつピースが③⑦⑧の3つしかないことに注目.すべてのピースを使う問題なので,⑧のピースの両端には必ず③と⑦が繋がった形になることが決まります.次にその3ピースのセットに何が繋がるかを探っていくことで,AとB,2つのプラスミドを完成させることができます. Bを構成するのは『③⑤⑥⑦⑧』の5ピースでした.
以前,制限酵素をモチーフにしたパズルをつくりたいという話を述べましたが,先月号のテーマが「CRISPR最新ツールボックス」だったことから思い立ってパズル化してみました.実際の平滑末端だったらどの制限酵素で切った断片でもくっつくはず,という妥当な突っ込みはあるかと思いますが,そこはパズルということでご勘弁ください.もちろん,制限酵素には,卒業研究の初期からさんざんお世話になっており,「XhoIとSalIの認識配列は違うが,突出部分の配列は同じなので,切断後はつなげることができる」というような使い方を最初に聞いたときには,なるほどおもしろい,と感心したものでした.とはいえ,時代は進み,今,ゲノム編集ツールというと,TALENや2020年のノーベル化学賞を受賞したCRISPR/Cas9が中心となっているのでしょうか.こうなると,遺伝子操作に必要なゲノム配列上の制限がなくなり,原理上は「自由自在にゲノムを扱える」時代になっているということですね.もちろん,実際には現場ではいろいろな工夫も必要でしょうし,倫理上の問題も考えないといけませんが,今後は,基礎研究だけでなく,医学,農業,畜産などの応用分野まで,あらゆる分野に革命をもたらしていくように思えます.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!